【評価感想】送り犬

こんにちは。蓮根です。

今回は送り犬。

アドベンチャーゲームというよりもノベルゲームというのが正しいのかな。
ホラー色が強い、ストーリーを楽しむゲームです。

評価マーク(ランク順 S/A/B/C/D/E)

B評価
アドベンチャーゲームはプレイ時間が限られるので、楽しめたかが評価基準。十分楽しめました。

内容

”送り犬とは八ヶ岳に住む妖怪で、山の神様とも言われているらしい。

夜の八ヶ岳を歩いていると、後ろからヒタヒタと足音が聞こえてくる。
これが送り犬だ。
振り返ってはならない。
振り返ると、食べられてしまうからだ。
送り犬が現れたら、そのまま振り返らなければ家に着くまで狼や山に住む魔物から守ってくれる。”

こんな送り犬の伝承をモチーフにしたノベルゲームだ。

ノベルゲームは、ストーリーの途中で選択肢があって、選択肢によってストーリーが変わるゲームのこと。
アドベンチャーゲームみたいに、クリアするために決まった行動を取るのでは無くて、選択肢によって変わったストーリーを楽しむものだ。
だから選択肢ごとにエンディングも変わって、このゲームの場合は35種類のエンディングがある。

ちなみに調べてみたら、送り犬って日本各地で伝わる伝承で、妖怪の一種に挙げらるものらしい。
てっきりこのゲームの作者が考えたものかと思った。詳しくはWikipediaの送り犬を見てね。

さて、ゲーム内容だ。ネタバレは最小限にいきます。

ゲームは表示される絵と文章を読んでストーリーを楽しむもの。読んだらAボタンを押せば先が表示される。

たまに選択肢があって、左右で選択してAボタンを押す。基本的にはそれだけだ。

選択肢によってストーリーは変わるんだけど、一番メインのルートは送り犬と主人公の関係を題材にしたストーリー。
主人公が誤解していることをプレイヤーは分かっているので、ヤキモキした気分になりつつ、ハードなストーリーを読むことになる。
ストーリーを読むのは本を読むのと同じなんだけど、違うのは選択肢があること。
主人公が誤解していることは変えられないとわかりつつ、何とかハッピーエンドになるように誘導したいと選択肢を選ぶことができる。

ストーリーもなかなかに面白くて、選択肢によっては元の題材なんて無かったかのような恋愛ストーリーになったり、親友が急にヤクザの娘という設定になったり。
サブストーリーみたいなのに入ることがあって、普段はわき役のキャラクターを主人公に置いたルートが4つくらいある。
それらも怪奇を絡めつつ、ちゃんと独立した話として楽しめる。

エンディングは最初にも書いた通り35種類。
トップメニューにエンディングリストがある。まだ見ていないエンディングは「?」で表示されるので、一目でまだ見ていないエンディングがあるか分かる。

エンディングリストは近いルートのものは近くに置かれているので、まだ見ていないエンディングがどの辺の選択肢なのかが分かる。
なので、最後の1つがどこか見当もつかない、ということも無く、自力で全部エンディングを見ることができた。

ここも親切設計で良かった。

ホラーは怖い画像、グロい画像が表示されるというようなことは無いけど、文章は結構本気で来ている感じだ。

検閲とか無さそうな、思う存分ホラーの表現している感じ。すぐに食べるとか言い出すし。
15歳以上対象になっているけど、そうだと思う。
一方で、振動の使い方が良くて、ホラーを楽しむつもりなら振動は必須。
後ろから何者かが来ている、という時に、足音を振動で表現するとかはスイッチならでは。

操作感もやりやすい。
いつでもセーブ、ロード出来るので、分岐でセーブしておいてその先のエンディングリストを探しにいく、ということが出来る。ボタン1つでセーブできるクイックセーブがあるもの優秀。

あと、ボタン押しっぱなしで文章早送りできるんだけど、既読のところだけ早送りという設定ができるのはとても便利。
ボタン押しっぱなしにして、見たことが無いルートだったら早送りにならないので、前にプレイしたルートでやり残したルートを探す時に楽だった。

文章を楽しみつつ、最後はエンディングリストを埋めるというゲーム。
シンプルだけど、なかなかに良く出来ています。

コスパ

990円で5時間以上プレイ。もう少し安いと嬉しい。
とは言え、アドベンチャーゲームは値段と時間が比例しないので仕方ないかも。

感想

ゲーム内容は基本文章を読むだけだけど、それを楽しめるようにちゃんと考えている感じが好感を持てる。

ストーリーがホラーだけあって、あまりハッピーエンドは少ないです。
ただ、選択肢によってまったく違うお話になるのは、とても面白かった。リングを読んでいたはずが、吾輩は猫であるに途中で切り替わっていたくらいな感じ。
そのおかげか、ホラーゲームをやっている時の、やるのが憂鬱になる気分がほとんど無かった。
ホラー苦手でも、このゲームは大丈夫かも。

唯一難点をあげるとしたら、エンディングを埋めるのが1か所面倒なところがあること。
警備員のエンディングが意外に多いうえに、5つの選択肢によってエンディングが変わるので、最後は総当たりでやって当てることになった。
まあ、これも結果的にはそこまで時間掛からずに埋められたので良いか。

個人的に一番好きだったエンディングは、わき役の山崎剛史の話。

好みは人それぞれだから何が一番かは置いておいて、サブストーリー的なものが一番と言えるくらいちゃんとしているというのは凄い。

ノベルゲームは今までプレイしたこと無かったけど、これは結構よかったです。お薦めです。
メビウスさんも、結構見直した。キス・オブ・マーダー買わないつもりだったけど、セールだし買ってみようかな。

こんな人におすすめ

・怪奇ものの話が好きな人

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