【評価・感想】Into The Breach

こんにちは。蓮根です。
今回はInto The Breach。

このゲームはTwitterのタイムラインに流れてきて気になったゲーム。積みゲーがあるので即買いみたいなことはあまりしないのですが、「チェスみたい」という言葉に引っかかって、久々に即決。購入しました。

評価マーク(ランク順 S/A/B/C/D/E)

A評価
評価は悩みましたが、B評価をつけたこれまでのゲームよりはこっちを選ぶなあということでA評価。
うん、楽しかった。

内容
未来のお話。

地中に繁殖する巨大生物であるVEKの脅威にさらされています。戦闘メカを操縦して、VEKの侵略を食い止めろ!というストーリーです。

1つ面白いのは、主人公達は時間線を移動できる能力を持っていること。

今の時間線を救っても失敗しても、同じようにVEKの脅威にさらされている別の時間線を救いに行くのです。このSFなストーリーが入るだけで、SF好きやストーリー感情移入派には好感度アップ!そうじゃない人もゲーム面白いから大丈夫ですよ。

ゲーム自体はターン制のストラテジーゲームです。
最初にキャラクターと部隊を選択すると、新しい時間線に入るところからスタートです。

世界は4つの島があって、それぞれの島は幾つかのエリアから出来ています。島を2つ以上安全にすると、最終決戦場に行くことができるようになります。2つで行くか、4つ全部安全にしてから行くかはあなた次第。自由です。

島は幾つかのエリアに分かれています。

それぞれのエリアで戦闘をして、VEKを撃退していきます。また、エリアごとにボーナス目標があります。例えば、特定の施設を守るとか、VEKを何体以上倒すとか。電力インフラダメージを3未満にする、自機のダメージを4未満にする、なんてのもあります。

ボーナス目標を達成してクリアできると、電力インフラが増加したり、島クリア時にアイテム等に変換できるポイントを貰えたりします。

戦闘は8×8のフィールドで行われます。

決められたターン数、防衛できればクリア。それじゃあ防衛できないってどういうケースがあるの?というと、2つあります。
1つ目は自機が全滅するケース。
全滅でなければ破壊された機体は修理してまた使えるようになりますが、パイロットが死亡してしまいます。パイロットは経験値があって成長するので、死亡するのは結構ツライ。しかも代わりのパイロットがいない場合はロボ操作(とは言っても設定上人間のパイロットが居ないってだけで自分で操作するけど)で経験値取得による能力アップが無くなります。

2つ目は電力インフラが0になるケース。

この世界は電力は貴重。世界の電力インフラ残存量がゲージになっています。
建物にダメージを喰らうと電力インフラゲージが減っていき、0になるとその時間線は失敗になります。電力インフラゲージを回復するには、ボーナス目標クリアや島クリア時のポイント利用といった方法があります。

なので、自機のHPが0にならないようにしつつ、建物を守りながら一定ターン数を経過すればクリア、です。

肝心の自機は?というと、部隊によって大きく性能が違います。というか、別のゲーム性というくらい、部隊ごとに特徴がある。とてもうまく出来ています。

部隊は3機で1部隊なのですが、機体のタイプは4種類に分かれます。
1つ目はプライム。近距離攻撃が得意なタイプです。
2つ目はブルート。射撃攻撃が得意なタイプです。
3つ目はレンジ。砲撃が得意なタイプです。射撃は直線状に撃つのですが、砲撃は障害物があってもポイントを狙えるのが違いです。
4つ目はサイエンス。説明が難しいのですが、ダメージを与えられないけど敵を移動させたりという行動が得意なタイプです。

例えばラスティング・ハルクスという部隊は、ブルート、レンジ、サイエンスの組み合わせなのですが、この部隊の特徴はスモークを利用すること。1体は敵を飛び越えると同時にダメージを与え、かつその敵の場所にスモークを発生させます。
通常ですとスモークのマスは攻撃できなくなるだけなのですが、この部隊の場合はスモーク内の敵にダメージを与えるという特殊能力があります。なので、攻撃能力はちょっと劣っているのですが、スモークを上手く利用して敵を倒すというのが基本戦略になります。

こういったように、部隊ごとにスモーク状態を上手く利用する、延焼状態を上手く利用する、敵を同士討ちさせるように立ち回るといった得意分野が用意されています。なので、部隊ごとに立ち回り方が違ってくる。

戦闘は敵の移動、自機の移動と攻撃、敵の攻撃という順序で行われます。
重要なのは、敵の移動が終わった時に、敵の攻撃予定はわかるということ。これがチェスとも表現される理由です。

敵の攻撃先はわかっているのですが、敵が多い場合は全部の敵を撃破することは難しい。
その場合には、例えば敵を吹き飛ばして移動させてしまって攻撃が当たらないようにずらしてしまう、更に敵の攻撃先に敵が居るようにすれば同士討ちさせられます。攻撃先のものが建物で無くて移動させられるオブジェクトの場合は、敵を移動させるのでなく、攻撃先のオブジェクトを移動させてしまうということも選択肢の1つです。
他にも、スモークを利用する、地震や隕石といった環境行動が発生する場所も分かっているので、その場所に敵を移動させてしまい、地震に飲み込ませてしまうといった作戦も必要です。


例えば上の状況。敵が4体いて、3体は建物に攻撃、1体は味方の機体を攻撃しようとしています。敵が何を攻撃しようとしているかは、近距離攻撃の場合は矢印、遠距離攻撃の場合は点線で描かれています。
しかも、味方を攻撃しようとしている敵は、味方を拘束していますので何とかしないと動けない。

序盤で建物に3回も被弾したら絶望的な状況です。対処していきます。


まずはレンジ攻撃のメカを移動して砲撃します。このメカの砲撃は、着弾点から4方向に1マスの吹き飛ばし攻撃をします。吹き飛ばし攻撃は、移動先に何もなければ移動、何かある場合は吹き飛ばされたものも、移動先にあるものも、両方1ダメージを喰らいます。
今回のケースではどうなるか。着弾した場合の想定結果が表示されていますね。着弾点から左上にいる敵は、攻撃しようとしている味方とぶつかって両方1ダメージ、左下にいる敵は、敵同士でぶつかって両方1ダメージです。


砲撃を実行した結果です。味方が1ダメージ喰らいましたが、左上の敵は体力が1しかなかったので破壊できました。同時に味方のバインディングも解けています。
着弾点から左下にいる敵2体は、残り体力が1になっています。


次はプルートメカを移動させて撃ちます。このメカの攻撃は、弾が当たると1ダメージ+吹き飛ばし1マスです。


吹き飛ばしを利用して2対の敵を撃破できました。これで残り1体です。
あとはプライムメカを移動させて攻撃すればOKです。

こんな感じで、ターンを進めていきます。

VEKは地中から湧いてきますが、出現場所に自機や敵が居る場合は出現を防ぐことができて、上に居る機体や敵は1ダメージを喰らいます。これも上手く利用できます。

敵の攻撃を上手くずらせない、敵を倒すこともできないという場合は、自機が盾になってダメージを受けるということも考えられます。自機はHPが0になりさえしなければデメリットはありません。

敵の行動はどうなるかわかりませんが、自分のターン開始時にそのターンだけを見た場合、完全情報ゲームとしてそのターンを最小限のダメージで乗り切ることを考える、となります。自機の行動順がとても重要で、新感覚のチェスや詰将棋といった趣です。

敵の攻撃順、環境行動との順番もとても重要な判断材料になるのですが、右スティック押し込みで全部の行動順が表示されるのはとても便利。また、移動させてみたら思ったのと違う感じになっちゃった、という場合は1戦闘で1回だけマイナスボタンを押すとターンリセットできます。親切です。

自機は決まった装備で開始しますが、途中で武器を入手して装備することも可能。ポイントを利用して購入するタイミングもあるので、選択肢はランダムではありますが、どういった方向で強くするかということを自分で決められるのも楽しいところです。

他にもパイロットによる特殊能力なんかもあり、そういった細かい積み重ねで行動の選択肢を増やして、戦闘での厳しいシチュエーションで考えて考えて考えて乗り切る。そんなゲームです。

1回のクリア時間は島を幾つ救うかによって左右されますが、2、3時間くらい。僕は将棋でも長考派なので、普通はもうちょっと短いかもです。

Easy、Normal、Hardが用意されていて、Easyだと敵がだいぶ少なくて気楽に遊べます。
難しく思うかもしれないけど気楽に遊べるし、無理と思う場面もちゃんと考えると対処できたりと、考えることをわかりやすく楽しめる良ゲーム。これはお薦めです。

コスパ

全部の部隊でクリアするまでで40時間強。
1620円で十分以上遊べたと思います。コスパOKです。

感想

個人的な感想ですが、Slay The Spireと遊んでいる時の感覚は近い感じでした。
場面場面では今ある手札で最良の選択肢を取るように考えて、手札を強くする方向性を考えていく。

ただ、このゲームの方が場面場面で考えるという要素が強いです。3体の自機を動かして攻撃するというだけなのですが、思った以上に行動のパターンがあって、ずっと考えてみたら全部の敵の行動に対処する方法が思いつくことが実際にありました。

逆に、手札を強くするという部分は断然Slay The Spireの方が複雑だし楽しい部分です。まあ、Slay The Spireはそれが醍醐味のゲームなので当然ですが。
Slay The Spireのカードを強くするというのは単純に強くなる訳でなくてわかりにくいと思っていますが(繰り返しますがそれが醍醐味なのですが)、このゲームの自機強化はわかりやすい。

そういった意味で、とても万人受けするゲームだと思っています。

ストラテジーゲームというと、1つの部隊を死なないように育てるというキャラクター物のような側面がありますが、このゲームは1つの時間線ということで3時間程度で完結するゲームです。ファイヤーエムブレム(やったことないけど)に代表されるようなキャラクター物の楽しみ方を期待している人は止めた方がいいです。

それよりも、1つの場面をどうやったら切り抜けられるかということを考えることに特化した、尖ったゲームです。
難易度設定も上手く出来ていますし、ルールもすぐに理解できる。

考えることを楽しめる人には迷いなくお薦めです。

こんな人におすすめ
・考えることを楽しめる人
・ピクセルアートのメカ好きな人

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