【評価・感想】暗い部屋
こんにちは。蓮根です。
今回は暗い部屋。
公式の説明を読むとテキストアドベンチャーというヒントはあるんですが、どんなゲームか全然わからないんですよね。ただ、このぶっきらぼうさというか媚びない感じに惹かれたので購入です。
評価マーク(ランク順 S/A/B/C/D/E)
見事にハマりました。人は選ぶと思いますが、色々な要素を上手く纏めた快作です。
内容
気が付くと、暗い部屋に居る。というところからスタートします。最初に選べる行動は火をつけることだけ。
何回か試すと火が着き温かい部屋になります。そして主人公以外に部屋には1人の女性が。彼女は建築家で主人公の友人と名乗ります。
テキスト式のアドベンチャーと言う通り、コマンド選択して生き延びるのが最初の目的になります。
選べるコマンドは最初は「火を焚く」だけですが、静かな森に行って「木材を運ぶ」を選べるようになります。
さらに進めるとだんだん使えるコマンドが増えていきます。建築家の女性が作れるものを教えてくれ、素材を集めれば色々なものを作り、それを使かったコマンドを選べるようになります。
最初は「建築家」コマンドが使えるようになり、木材を利用して罠を作ると「罠を確認する」コマンドが増えます。罠で動物を捕まえて、肉や毛皮、鱗、牙といった素材を入手できます。そして、交易所ができれば素材を交換することができ、といったようにどんどん拡大していきます。
そしてこのゲームを話す時に欠かせないのが小屋。小屋を作ると人が小屋に住み着き、村ができます。主人公は村人に作業を割り振って、村人に色々なものを生産させることができるようになります。
序盤であれば木を切る、狩猟するといったものだけですが、これも色々な施設を用意できれば鉄の生産など、できることが増えていきます。
こういった、必要な素材を上手く調達できるように拡大再生産をするという、シミュレーションの楽しさがこのゲームの1つの側面です。
ちなみに、1つのコマンドを選択すると、そのコマンドは一定時間利用できません。そのコマンドの利用不可を表すバーが伸びていって、消えると再度利用できます。ファイナルファンタジーのアクティブタイムバトルと同じ仕組みですね。木材を運ぶは早く選べるようになりますが、罠を確認するは使えるようになるまで少し時間が掛かる、といったところが上手く考えられています。
そしてこのゲームを話す上でもう1つ重要な要素、探索があります。
交易所でコンパスを手に入れると、主人公は荒野への探索に興味を持っていきます。
荒野の探索は、昔のローグなんかと同じように、テキストで地図が表現されて、主人公(@)を上下左右に操作します。水と食料が尽きると倒れてしまうので、上手く管理しつつ探索していきます。
これがとてもうまく出来ています。
主人公の周囲だけしか見えないので行く先になるがあるかドキドキ感があり、特に水の補給地点に戻れなくなってしまった時に新しい補給地点が見つかった時の喜びなどは言葉にできません。
荒野には獣や襲ってくる人などがいるので、装備も重要。装備は最初は革製品しか作れませんが、素材を発見することで強い素材を使った武器や防具などを作ることができます。また、水や荷物を運ぶものもアップデートして、行動範囲を広げるられるのもいいところです。
新しい素材は、荒野で鉱山の発見などで入手経路を作れます。そして村人を鉱夫とすることで素材が継続的に入手できる、というように荒野の発見と村の運営がリンクします。
あと1つ、このゲームの魅力はストーリーだと思っています。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、主人公と彼女の目的は何か、どういった過去か、だんだんと明らかになっていきます。進め方によってストーリーが変わるのも面白く、1度クリアしたした後で、違うエンディングを見たくてすぐに2度目を開始してしまいました。
テキストアドベンチャーと言うよりも、素材などの生産シミュレーション+探索アドベンチャーという要素が強い、なかなかの力作。見た目は地味ですが、テキスト表現でも大丈夫な人にはお薦めしたいゲームです。
ちなみにこのゲーム、2人プレイ可能となっています。確かに2人プレイは可能で、画面左下にあるパネルが2人目が操作する用のパネルになりますが、説明が一切ない上に操作自体不親切の極みで本当に厳しいです。少し触ってみましたが、一部しか操作理解できませんでした。
2人協力プレイは期待しない方が良いと思っています。
コスパ
700円で15時間以上プレイしました。
値段以上に楽しんだと思っています。
感想
このゲーム、4回クリアしました。1回目は10時間程度、最速では4時間弱でクリアです。
このゲームは幾つかのパートに分かれる感じなのですが、どのパートも楽しいです。
最初のパートは、探索に行くまで。早く必要な素材を入手して探索に行く準備を整えることが目的になります。1回目は手探りになりましたが、勝手がわかった後で手順を考えるのが楽しいです。
プレイするとわかると思いますが、選択肢は2つ出てきます。そのうち、厳しいと思う選択肢の方でも、やり方が分かるとそっちの方が楽なんじゃないかと思うくらい手順が整うのは面白いところです。
次のパートは、探索を開始して、継続できるようにするところまで。
これもプレイ方法によるのですが、装備を整えること、探索するのに必要な保存食を十分入手することが目的になります。
最後のパートは、エンディングに向けた部分。
ここをどうやって素早く終わらせるかは、手順をどれだけ省けるかかと思っています。意外に装備を整えないままでもクリア出来るかな、というのが4回目を終わらせた時に思ったこと。
最速は222分ですが、3時間は確実に切れると思います。
それぞれのパートで僕は楽しめたのですが、手順を考えて時間を短縮したり効率化するというのが好きな人には面白いかな、と。探索部分は配置がランダムなのですが、その中でどうやって早く進めるかというのは風来のシレンに通じる楽しさかな。ちょっと無理があるかも。
ストーリーは日本語翻訳がイマイチなこともあり、だいぶ分かりにくいです。全部説明されないので、想像して補完する必要がありますが、僕はこれも楽しかった。
ローグライクゲーム、生産シミュレーションが好きで、テキスト表現にアレルギーが無い人。ぜひ、プレイしてみてください。
こんな人におすすめ
・まずは画面見て面白そうと思った人
・生産シミュレーション好きな人