【ゲーム日記】vol55.将棋ファン目線の千里の棋譜

こんにちは。蓮根です。

ゴブリンソードもCelesteも終わって、起動したくらいで止めていた千里の棋譜を再開しました。
まだ序盤ではありますが、これが面白い。将棋がわからないでもミステリーとして面白そうではありますが、将棋がわかったら相当です。

将棋好きから見た千里の棋譜のストーリーの面白さを少し書いてみたいと思います。

出だしのネタを書いてしまうと、話は2010年頃にコンピューター将棋対名人の戦いを挑まれるというところがスタートになります。この戦いを受けないと、棋戦のスポンサーが引いてしまう。
2010年頃というと、将棋ソフトがプロ棋士に勝って話題になり始め、電王戦と称した将棋ソフトとプロ棋士の戦いが始まった頃です。将棋ソフトが勝ったらプロ棋士の存在意義がといったニュアンスはちょっと抵抗ありますが、掴みとしては面白いです。

そして、この戦いの裏で過去の名人と真剣師の戦いが話題になります。真剣師とは、賭け将棋を生業としていた人たち。花村先生や小池重明が有名ですかね。花村先生はプロになっており森下先生や深浦先生の師匠、小池重明は一時期プロになるという話もあった人物です。

名人と真剣師の戦いでは名人が勝っているのですが、名人の名前は泰山十五代名人。これはゲーム中でもモデルとして紹介されますが、大山十五世名人がモデルですね。ちなみに、小池重明と大山十五世名人は駒落ちで対戦しています。
ゲーム中の名人と真剣師の対局、どうやら何か不正があった、と言われます。

ここから先を紹介してしまうゲームが面白くなくなってしまうのですが、こういった実際の将棋界のネタを下敷きにして話が作られているので、モデルを想像するだけでも楽しめます。

さて、この不正が何かということの、今の予想を書いておきます。

まず泰山十五代名人のモデルは大山十五世名人です。そうすると、大山先生に関連する話を中心に今回のストーリーを作ったのかな、と考えました。

将棋は完全情報ゲームですので、不正が難しいと思っています。一番わかりやすい不正としてはソフト指しですね。数年前に話題になりました。対局中に将棋ソフトで局面を解析して指し手の参考にするという不正です。
話が逸れますが、将棋界は極めて不正が少ないと思っています。勝手にですが、その土壌を作ったのは米長先生の「相手にとって重要な対局ほど本気で指す」という姿勢。相撲のように同門対決は外すという考えがない将棋界で不正をまったく疑わないで見られるのは、米長先生のおかげだと思っています。

閑話休題。

不正、といってもソフト指しはさすがに50年前には無さそうに思っています。
そうすると思いつくのは2つ。
1つはソフトに聞けなかったら人に聞けばいいじゃない、というもの。電話やサインを決めておいて他の人が検討した手を貰うのです。ただこれも電話はさすがにバレるのでサインとした場合、終盤の詰みがあるかどうかの場面では良いのですが、序盤や中盤で指し手だけ聞いてそれを指すという場面は少ないように思います。

そこでもう1つ、高野山の決戦を元ネタにした話かな、と思っています。
これは70年程前ですね、大山先生と升田先生が名人挑戦を掛けて対局した話。対局場所が升田先生の意図に沿わない(本人からすると不利になっていると感じる)場所で開催されたというものです。そもそも、例年通りであれば升田先生が無条件で名人挑戦だったのですが、この年だけレギュレーションが変更されました。
不正で勝ったという話に繋げるにはどうするか想像できないのですが、これが最有力と睨んでいます。

このゲーム、詳しいことは書きませんが、50年前の名人と真剣師の対局の棋譜は残っていないということになっていますが、戦型のヒントはあります。そのヒントを聞いて、戦型はすぐに理解できました。
昔は決まった手筋以外を指すとお叱りを受けるような時代だったと何かで読んだ覚えがあります。50年前にこんな将棋を指したら大事件、プロ失格と言われるかもしれない、そんなことを考えてしまいました。

ストーリーの中で陣屋事件なんかも語られており、将棋好きな人には色々と想像の余地があると思っています。
不正が何か、の正解は書くつもりはありません。将棋が好きな方は、ご自身でも想像してみて、正解はゲームをプレイして確認してみてください。

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